『親仔三代日本ダービー制覇の夢』か?『祖父・父の無念を晴らす日本ダービー制覇』か?それとも…
今週末、東京競馬場で東京優駿(日本ダービー)が開催されます。
【日本ダービー2024・登録馬】
・アーバンシック 横山武史
・エコロヴァルツ 岩田康誠
・コスモキュランダ Mデムーロ
・ゴンバデカーブース ===
・サトノエピック ===
・サンライズアース 池添謙一
・サンライズジパング 菅原明良
・シックスペンス 川田将雅
・ジャスティンミラノ 戸崎圭太
・シュガークン 武豊
・ジューンテイク 岩田望来
・ショウナンラプンタ 鮫島克駿
・シンエンペラー 坂井瑠星
・ダノンエアズロック ===
・ダノンデザイル 横山典弘
・ビサンチンドリーム 西村淳也
・ミスタージーティー 藤岡佑介
・メイショウタバル 浜中俊
・レガレイラ ルメール
※サトノエピックは日本ダービーに出走せず、東京ダービーに参戦することが表明されました。
「ダービー馬のオーナーになることは、一国の宰相になるよりも難しい」という格言や、
「ダービー馬はダービー馬から」という言葉があります。
今回は「ダービー馬はダービー馬から」に注目していきたいと思います。
※記録に関しては、グレード制導入後の1984年以降の記録を採用しております。
日本ダービー馬の仔で、日本ダービーを勝利した競走馬
日本ダービー馬の仔で、日本ダービーを勝利したサラブレッドは以下の通りです。
◆シンボリルドルフ1984
→トウカイテイオー1991
◆タニノギムレット2002
→ウオッカ2007(牝馬)
◆ネオユニヴァース2003
→ロジユニヴァース2009
◆キングカメハメハ2004
→ドゥラメンテ2015
→レイデオロ2017
◆ディープインパクト2005
→ディープブリランテ2012
→キズナ2013
→マカヒキ2016
→ワグネリアン2018
→ロジャーバローズ2019
→コントレイル2020
→シャフリヤール2021
過去10年の日本ダービーでは、キングカメハメハ産駒は2勝。ディープインパクト産駒は5勝を挙げています。
2011年までは「ダービー馬はダービー馬から」の実証例は3件だけでした。
しかし2012年以降は、
キングカメハメハとディープインパクト産駒が毎年のように日本ダービーを勝利するようになり、
「ダービー馬はダービー馬から」の実証例が9件となりました。
27年で3件だった実証例が、その後の13年では9件と急増しました。
キングカメハメハとディープインパクトの影響力が凄すぎますね。
ちなみにですが、
2014年のダービー馬・ワンアンドオンリーと、
2022年のダービー馬・ドウデュースはハーツクライ産駒。
父のハーツクライ自身は、
キングカメハメハが勝利した日本ダービーで2着でした。
2023年のダービー馬・タスティエーラはサトノクラウン産駒。
父のサトノクラウンは、ドゥラメンテが勝利した日本ダービーの3着馬です。
過去10年、日本ダービー馬になったサラブレッドの父親たちは、
「日本ダービーで勝利または好走した実績を持っている」という共通点がありますね。
親仔三代日本ダービー制覇の夢
今年の日本ダービーに出走を予定している競走馬で、父が日本ダービー馬のサラブレッドは以下の8頭になります。
【父:キズナ】
・サンライズジパング
・シックスペンス
・ジャスティンミラノ
・ジューンテイク
・ショウナンラプンタ
【父:ドゥラメンテ】
・シュガークン
・ミスタージーティー
【父:レイデオロ】
・サンライズアース
キズナはディープインパクト産駒で、
ドゥラメンテとレイデオロはキングカメハメハ産駒です。
上記8頭のうち誰かが日本ダービーを勝利すると「ダービー馬はダービー馬から」を達成すると同時に、
「親仔三代による日本ダービー勝利」の新記録が達成させることになります。
ジャスティンミラノが日本ダービーを勝利した場合
ジャスティンミラノが日本ダービーを勝利した場合「皐月賞と日本ダービーを無敗で制した二冠馬」の誕生となります。
◆過去の「無敗の二冠馬」
1984年シンボリルドルフ(三冠馬)
1991年トウカイテイオー
1992年ミホノブルボン
2005年ディープインパクト(三冠馬)
2020年コントレイル(三冠馬)
トウカイテイオーは骨折のため菊花賞を回避。
菊花賞に出走したミホノブルボンは、ライスシャワーの2着でした。
「無敗で皐月賞と日本ダービーを制した競走馬は、三冠馬になる可能性が高い」と言えます。
祖父・父の無念を晴らす可能性のある日本ダービー出走馬
「親仔で日本ダービー制覇」という輝かしい成績を残すサラブレッドもいれば、
あと一歩のところで「日本ダービー馬」という称号を獲得できなかったサラブレッドもいるのが実情です。
この段落では「日本ダービー2着馬」に注目していきたいと思います。
ハーツクライ直仔スワーヴリチャード産駒
前述した部分と重複しますが、2004年に日本ダービーを走ったハーツクライは、キングカメハメハの2着でした。
そして、ハーツクライ産駒のスワーヴリチャードは、2017年の日本ダービーで、キングカメハメハ産駒のレイデオロの2着でした。
種牡馬になってもリーディング上位の座を争っていたキングカメハメハとハーツクライ。
ハーツクライ産駒たちにとって、キングカメハメハ産駒との競走は、“宿命の戦い”とも言える状況です。
今年の日本ダービーには、ハーツクライ産駒スワーヴリチャードの仔が出走します。
アーバンシックとレガレイラです。
アーバンシックは京成杯2着、皐月賞4着馬。
レガレイラは昨年のホープフルステークスの勝ち馬で、皐月賞では6着。
どちらの競走馬も「能力的には日本ダービーを勝てる可能性がある」と考えています。
祖父ハーツクライ、父スワーヴリチャードと二代続いている「日本ダービー2着」という殻を破れるか楽しみの2頭です。
アーバンシックとレガレイラは“いとこ同士”でもあるので、
この2頭でワンツーフィニッシュを決めると、さらに盛り上がりそうですね。
シンボリクエスエス直仔エピファネイア産駒
ハーツクライとスワーヴリチャード親仔は「親仔で日本ダービー2着」という記録を残しています。
この親仔と同じように「親仔で日本ダービー2着」という記録を持った種牡馬がいます。
エピファネイアです。
シンボリクエスエスは2002年の日本ダービーでタニノギムレットの2着でした。
そのシンボリクエスエス産駒のエピファネイアは、
2013年の日本ダービーでキズナの2着でした。
スワーヴリチャードと同じように、
エピファネイアも「親仔で日本ダービー2着」という記録を持った種牡馬です。
さらにエピファネイア産駒のエフフォーリアが2021年の日本ダービーでシャフリヤールの2着だったため、
「親仔三代で日本ダービー2着」という悔しくも惜しい記録を樹立しています。
今後、種牡馬エピファネイア、エフフォーリアの悔しさを晴らしてくれる仔が誕生することを期待したいと思います。
さて、今年の日本ダービーには2頭のエピファネイア産駒が出走します。
ダノンデザイルとビサンチンドリームです。
京成杯勝利馬のダノンデザイルの前走は皐月賞で、
発走直前に異常が確認されたため競走除外となりました。
きさらぎ賞の勝ち馬・ビサンチンドリームは皐月賞では出遅れたうえに第4角で不利を受け、
勝ち馬から1秒4差の13着でした。
皐月賞からの巻き返しに期待したいと思います。
日本ダービーに出走する3つの勢力図
日本ダービー馬の産駒が8頭、日本ダービー2着馬の産駒が4頭する今年の日本ダービー。
今年の日本ダービーはフルゲート18頭で開催される見込みです。
親仔三代で日本ダービーを制するのか?
祖父や父の無念を晴らす1頭が登場するのか?
それともこのほかの勢力が勝利するのか?
個々に応援したい競走馬や騎手、馬主さんや調教師はいますが、
サラブレッドの血統表を歴史書として楽しむ私にとって、
今回の日本ダービーは「この3つの勢力争いである」と捉えています。
2024年5月21日投稿
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