【不祥事】JRA騎手のスマホなどの通信機器による注意義務違反および非行まとめ

騎手

※敬称略。
黒文字表記は男性騎手。青文字表示は女性騎手

日本中央競馬会競馬施行規程第147条、第19及び20号

第138条第1項各号及び第145条各号のいずれか又は前条に該当する場合を除き、次の各号のいずれかに該当する馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者又は 厩務員に対して、期間を定めて、調教若しくは騎乗を停止し、戒告し、又は500,000円以下の過怠金を課する。

(第19号)前各号に定めるもののほか、競馬の公正確保について業務上の注意義務に違反した者

(第20号)競馬の公正確保について業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者

 

スマートフォンなどの通信機器を持ち込むと第19号違反。
スマートフォンなどの通信機器で外部と通信をすると第20号違反。

第19号違反は注意義務違反で、第20号は非行。
第19号より第20号の方が重大な違反・不正行為となります。

 

通信機器の不正持ち込み及び不正利用まとめ

【2011年5月】

◆大江原圭(美浦・現役)
2011年5月に、調整ルームで携帯電話でX〈旧Twitter>を使用していた。
30日間の騎乗停止処分。

 

【2013年7月】

◆原田圭伍(栗東・引退)
2013年6月に、調整ルームで携帯電話でX〈旧Twitter>を使用していた。
30日間の騎乗停止処分。

 

【2015年3月】

◆クリストフ・ルメール(栗東・現役)
2015年3月に、調整ルームにおいて携帯電話でX〈旧Twitter>を使用していたことが判明。
30日の騎乗停止処分。
※ルメールはこの年からJRA騎手の通年免許を獲得。

 

【2016年10月】

◆丸山元気(美浦・現役)
2016年10月10日土曜日、中山競馬場の調整ルーム内でX〈旧Twitter>などを外部(※厩務員)との通信を行った。
8日から11月6日まで30日間の騎乗停止処分

 

【2023年5月】

今村聖奈(栗東・現役)
①騎手控室にスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧。
②調整ルームで他の騎手と通話
(※角田大河との会話と報道される)
30日間の騎乗停止。

◆角田大河(栗東・引退)
認定調整ルーム(ホテル)で、スマートフォンを使用し他の騎手と通話。
(※今村聖奈との会話と報道される)
30日間の騎乗停止。

永島まなみ(栗東・現役)
古川奈穂(栗東・現役)
河原田奈々(栗東・現役)
小林美駒(美浦・現役)
上記4騎手は、騎手控室にスマートフォンを持ち込みインターネットを閲覧。
30日間の騎乗停止。

【2024年5月】

◆水沼元輝(美浦・現役休業中)
①2024年3月2日から同年5月26日までの間、美浦トレーニング・センターおよび競馬場の調整ルーム居室内にスマートフォンを持ち込みインターネットなどを閲覧。
②2024年5月26日には、美浦の調整ルールの居室内で他者との通話を行ったことが判明。
裁定委員会からの処分を受け、2024年5月31日から2025年2月28日まで騎乗停止。

 

【2024年10月】

◆永野猛蔵(美浦・現役)
2024年10月5日から2024年10月6日にかけて、東京競馬場調整ルーム居室内にスマートフォンを持ち込み、通信していた事実が判明。
裁定委員会に飛行事案として送付。裁定が終わるまで騎乗停止。

◆小林勝太(美浦・現役)
2024年9月27日に美浦トレーニング・センター調整ルーム居室内にスマートフォンを持ち込み、通信していた事実が判明。
裁定委員会に飛行事案として送付。裁定が終わるまで騎乗停止。

 

藤田菜七子(美浦・引退届提出)
2023年4月頃まで複数回にわたり、調整ルーム居室内にスマートフォンを持ち込み、通信していたことが判明。
裁定委員会に非行事案として送付。裁定が終わるまで騎乗停止。

※丸山元気と藤田菜七子は根本康広厩舎所属であり、兄妹弟子関係に当たる。
※2024年10月11日、藤田菜七子がJRAに引退届を提出したことが報道される。

 

公営競技(公営ギャンブル)は、“八百長”を疑われたら終わり

日本では本来、賭博(ギャンブル)行為は法律で禁止されています。
しかし、競馬、競輪、競艇、オートレースは公営競技(公営ギャンブル)として存在しています。

人々が持つ射幸心を完全に規制するのではなく、国や地方公共団体団体が胴元として競技を主催し、それで得た利益は社会貢献活動などに使用される、という信頼があるから存続が許されているのが実情です。

 

「プロスポーツ興行は営利活動。公営競技は公的な活動である」

公営競技にはスポーツ的側面もあるのは事実ですが、「公営競技の根底にあるものは賭博(ギャンブル)である」という事を忘れてはいけないと思います。

公営競技(ギャンブル)を存続させるためには、主催者、競技関係者、そして投票者、それぞれが世間から後ろ指を差されないような行動を取らなければいけないと考えています。

また公営競技は、「公営のギャンブルである」ことから、公正な競技でなければいけません。

一部の人間だけが利益を得ることができる“八百長”が発覚すれば、たちまち投票者は減少していくことでしょう。

投票者が減少すれば、公営競技の運営が苦しくなり、最悪の場合、廃止になる可能性もあります。

 

主催者、関係者、投票者、この三者のうちいずれかが世間から嫌われたら一瞬で廃れていきます。

騎手などの公営競技に関係している人たちは、「自分が“プロスポーツ興行”ではなく“公営競技”に関係している人間なのだ」という意識を強く持ってほしいものです。

 

職業選択の自由がある中で、なぜ騎手という職業を選んだのか?

どの仕事にも業務上の注意義務や守秘義務などの制限はあります。

騎手という職業だけが大変なのではありません。

注意義務や守秘義務など業務上の義務を守れないのであれば、即刻、調教師や騎手などの競馬関係の仕事を辞めてほしいと思います。

極論ですが、競馬に関する仕事がなくなったとしても人間が生きていくには困らないのです。
一般的な目で見たら、競馬はあくまでも娯楽なのです。

業務上の義務を守れないのであれば、競馬関係の仕事をやめ、新たな人生を歩んでください。

 

私は、これからも先も日本競馬が存続することを願っています。



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