今村聖奈騎手の「新人年間50勝」、福永祐一騎手の「13年連続年間100勝」

騎手

今村聖奈騎手の「新人年間50勝」

2022年12月17日の中京5レース・新馬戦で、ベンダバリラビアに騎乗した“新人女性騎手”の今村聖奈騎手が勝利を勝ち取った。

この勝利はJRAでの年間50勝目だった。

過去に新人年間50勝を達成した騎手

JRAで「新人年間50勝」を達成した騎手は過去に4人しかいない。

一人目は1960年に加賀武見さん
(元騎手、58勝)

2人目は1987年に武豊騎手
(現役、69勝)

3人目は1996年の福永祐一騎手
(現役、53勝)

4人目は2008年の三浦皇成騎手
(現役、91勝)

 

「新人年間50勝」を達成した今村聖奈騎手のコメント

今村聖奈騎手は「女性騎手」として初の「新人年間50勝」を達成した騎手となる。

この件に関して今村聖奈騎手は、
「おかげさまで50勝という節目の勝利を飾ることができました。ここまでたくさんの方々にサポートしていただいていて、いろんな経験を積ませてもらった関係者をはじめ、馬に本当に感謝しています」
と語り、
「あとわずかで今年の競馬も終わってしまいますが、最後までしっかり一頭一頭の特徴を生かしたレースをしたいです。これから先もたくさんの方々に応援され、サポートされる騎手でありたいと思います」
と決意を口にした。

11月28日に19歳になったばかりの今村聖奈騎手だが、その考え方はしっかりとしていた。

JRA所属の女性騎手によるGⅠ制覇

今村聖奈騎手は、7月3日にJRAの重賞競走・CBC賞(GⅢ)を、テイエムスパーダと共に勝利している。

レースの格が一番高い「GⅠ競走」に騎乗するためには通算31勝していなければならいが、今村聖奈騎手はこの条件を既に達成している。

 

「女性騎手によるJRA・GⅠ競走制覇」は過去にもある。
オーストラリアのロシェル・ロケット騎手が、ギルデッドエージと共に2002年の中山大障害(J・GⅠ)を制覇している。

2022年12月現在、JRAに所属する女性騎手は4人。
藤田菜七子騎手(25歳)、古川奈穂騎手(22歳)、永島まなみ騎手(20歳)、そして今村聖奈騎手だ。

誰が一番最初にGⅠ競走を制覇するのか、楽しみである。

 

福永祐一騎手の「13年連続年間100勝」

今村聖奈騎手が年間50勝を達成した翌日、阪神9レースで7番人気のラヴケリーに騎乗していた福永祐一騎手が勝利し、「年間100勝」を達成した。

この勝利で福永祐一騎手は「13年連続年間100勝」という記録を打ち立てた。

 

「年間100勝」という記録

福永祐一騎手による「年間100勝」は通算で14回目で、“13回”で並んでいた岡部幸雄さん(元騎手)の記録を抜き、単独の2位となった。

ちなみに、「年間100勝」の最多記録は、武豊騎手の23回で、「連続年間100勝」記録に関しては、1992~2000年までの9年連続が最長である。

 

「13年連続年間100勝」を達成した福永祐一騎手のコメント

福永祐一騎手は、
「ひとえに、一生懸命頑張ってくれた馬たちのおかげです。馬の頑張りが、自分にそういった勝ち星をもたらしてくれたと改めて思います」
と言って一緒に走ってくれた馬たちに感謝した。
さらに、
「区切りの勝利は年間100勝が最後かなと思っていました。何となく先週あたりから怪しい雲行きになったので、達成できずに終わるかと思いましたが、何とか続けてこられた数字なので達成できて良かったです」
と記録達成への不安も語っている。
最後に、
「3月まではまだジョッキー福永祐一なので、最後まで一生懸命丁寧に、今までやってきたことを積み重ねていきたいです」
とインタビューに答えている。

 

“騎手”から“調教師”に。

2023年2月末をもって“騎手・福永祐一”は引退し、3月からは“調教師・福永祐一”となる。

 

本日の阪神9レース・高砂特別で、ラヴケリーを勝利に導いた手腕は見事だった。

衰えて引退するのではなく、実力を評価されたまま引退して、調教師に転身するのだ。

そんな選択をした“騎手・福永祐一”の意思を尊重したい。

 

初騎乗となった1998年の日本ダービーでキングヘイローの大暴走を許してしまった事も、シーザリオに騎乗して2005年の日本とアメリカのオークス(GⅠ)を勝利した事も、今となっては懐かしい。

シーザリオの仔・エピファネイアで日本ダービーを勝ってほしかったが、その時に勝利したのがキズナと武豊騎手なのだから、仕方がない。

 

 

2013年、アナウンサーの松尾翠さんと結婚してからの福永祐一騎手は変わったと思う。
「大舞台でも安定した騎乗をできるようになった」と個人的には思っている。

2018年、日本ダービー18戦18敗だった福永祐一騎手はワグネリアンに騎乗して“ダービージョッキー”になった。

2020年、コントレイルと共に日本ダービーを勝利し、のちに同馬と共に“三冠ジョッキー”の栄光を掴んだ。

2021年には、シャフリヤールに騎乗して2年連続、通算3回目の“ダービージョッキー”となった。
この時負かした相手が、この年の年度代表馬となるエフフォーリア。そして、その鞍上は、才能を開花させつつあった横山武史騎手なのだから、この勝利には相当の価値がある。

トップ騎手として競走馬に騎乗しながら、合格率10%に満たない超難関試験である「調教師試験」を一発合格してしまうのだから、常人が想像する以上の努力をしていたのだろう。

早ければ2024年の3月に自分の厩舎を持つことになる福永祐一騎手。

 

調教師の定年は70歳。
それまでにどのような競走馬と騎手を育てていくのか?

これからは“調教師・福永祐一”を、陰ながら応援していこうと思う。

 

【情報引用元】
サンケイスポーツ(2022年12月18日付け)
週刊ギャロップ(2022年12月12日号)
UMATOKU→https://umatoku.hochi.co.jp/



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